最終更新日 2024年2月16日 by fireluche

❶箱根のご紹介

静岡県にほど近い神奈川県南西部の一角に位置する箱根は、富士箱根伊豆国立公園内にあり富士山の絶景と温泉で広く知られています。
都心からも2時間程度とアクセスがよく、温泉の他にも美術館や博物館、レジャー施設などがあり、一年を通して多くの観光客が訪れる人気観光地で、箱根湯本、宮ノ下、強羅、大涌谷の4つのエリアが特に人気です。

箱根湯本は温泉地として有名で、小田急電鉄や登山鉄道、登山バスなどの交通機関が集まる玄関口の役割も担っています。
江戸時代に五街道のひとつ東海道に沿った温泉地として古くから栄えると共に、交通の要衝として多くの人々が行き来していたことから、歴史的建造物も多くあります。

代表的なものには戦国時代に北条早雲の遺言によって長男氏綱が建立した早雲寺があり、境内には豊臣秀吉が小田原攻略の際に陣鐘として使った県指定重要文化財の銅鐘、裏手には県指定天然記念物で樹齢が数百年と言われている早雲林などがあります。

他にも鎌倉時代に地蔵信仰から生まれた正眼寺があり、春には名物の枝垂れ桜を目当てに多くの観光客が訪れています。
宮ノ下は登山鉄道でおよそ30分の標高約430メートルの山の中腹にある秘湯が人気のエリアです。

ノスタルジックな建造物や足湯が楽しめるカフェなども人気で、近年ではフォトスポットとしても人気があります。
メインのセピア通りには明治・大正時代に建てられたおしゃれな建物が多く、レトロな雰囲気を味わえるお店が点在しています。

温泉の守護社として建てられた熊野神社は、鄙びた雰囲気ですが知る人ぞ知るパワースポットで多くの観光客が立ち寄るスポットとしても知られています。

❷強羅の観光スポット

強羅は彫刻の森美術館や箱根美術館、強羅公園などが中心の観光地です。
一年を通して多くの観光客で賑わいますが、特に紅葉シーズンからが観光客のピークです。

宮ノ下から更に登山鉄道で10分ほど登った先にあるため自然が豊富で、強羅を代表するスポットの強羅公園や大文字焼が行われる明星ヶ岳は秋には深紅に染まりまさに絶景です。

「かながわの景勝50選」や「かながわの花100選」のひとつである仙石原のススキ草原からは、古期外輪山の最高峰である金時山や丸岳、乙女峠などの山々と湿原が見事に調和した風景を見ることができます。

大涌谷は標高1044メートルもある高地で、天候によっては霧に包まれる冷涼なエリアで夏でも長袖が必要です。
約3000年前の最後の火山爆発でできた火口の爆裂跡で、現在でも火山活動が続いているため荒涼とした台地には硫化水素の白煙が立ち込めています。

展望台から見える大涌谷の景色は迫力満点で、険しい山肌と白煙でかつては「地獄谷」とも呼ばれていました。
そのため周辺の樹木は立ち枯れ、岩石は粘土化して赤茶けた山肌となっており、火山のダイナミックな活動の様子を間近に観察できます。

❸黒たまごは大涌谷の名物

大涌谷の名物と言えば「黒たまご」があります。
地熱と火山ガスの化学反応を利用して作られた黒たまごは大涌谷でしか買えない一品で殻は真っ黒ですが中は白く、1個食べると7年寿命が延びると言われている縁起物で、休日には行列ができるほどの名物となっています。

その火山ガスには硫化水素の他に一酸化炭素や亜硫酸ガス、塩化水素などが含まれており、毒性を持つ成分や酸欠により生命に危害を及ぼすことがあるため、ロープウェイでの観光が基本です。

ロープウェイでは眼下に広がる谷底の絶景や、桃源台に向かう途中には富士山や芦ノ湖の景色を堪能することができますが、アレルギー性喘息や気管支疾患、呼吸器疾患、心臓疾患やペースメーカーを装着している人は火山ガスの影響が考えられるため、大涌谷から先の終点早雲山駅までの乗車はできません。

これらの疾患を持っていない人であっても、火山ガスの濃度によってはロープウェイ自体の運行が休止されることがあります。

❹「逆さ富士」は芦ノ湖を代表する絶景のひとつ

終点の桃源台からは芦ノ湖が目の前です。
芦ノ湖はカルデラ湖で、3000年前の最後の火山爆発による土砂が、当時仙石原を流れていた川をせき止めたため上流に溜まった水が湖になりました。

周囲およそ20キロメートルの細長い形をしており、南岸の杉並木街道から眺める「逆さ富士」は芦ノ湖を代表する絶景のひとつに数えられています。
高地にありますが水温は通年4度以上あり、真冬でも凍結することがない「熱帯湖」として知られています。

観光船による観光の他にもニジマスやブラックバス、わかさぎなどの多くの魚が生息しているため、釣り人にも人気です。
特にわかさぎ釣りは毎年10月1日の解禁日になると全国から大勢の釣り人が訪れるほど人気で、その初漁で獲れたわかさぎは神社に奉納されると共に、宮内庁に献上されることが恒例となっており、わかさぎを漢字で「公魚」と書くのもそのことに由来しています。

このように季節や時間帯、天候で表情が変わる箱根一帯は、一度だけでは無く何回来ても楽しめることが大きな魅力となっています。