最終更新日 2024年2月16日 by fireluche

母を施設に預けるようになった経緯

私は結婚して実家から車で1時間ほどの土地で暮らすことになりました。

実家とは近すぎず、遠すぎずの立地なので、付かず離れずで暮らして来ました。

でも、70代後半で父が亡くなりました。

闘病の末の病死です。

何年も父と一緒に闘病し、生活を支えてきた母は父の死後明らかにこれまでとは異なり、ぐっと老け込んでしまいました。

当時、母は70代半ばでしたが痴呆らしき症状があらわれ、精神不安定にもなりました。

私には兄がいますが転勤で実家からは飛行機距離の地方に赴任しているため、比較的近くに住む私がこまめに様子を見に行き、自分の家と実家とを行き来する生活をしていましたが、私にも中学生の子供が二人いたため、子供の受験やら何やら自分の家のことで手いっぱいなこともあり、自分の生活がめちゃくちゃになってしまいそうだったため母には老人ホームに入ってもらおうという話になりました。

父の死から2年が過ぎた頃です。

その頃の母は体は比較的年の割に元気でした。

四肢が弱ることはなかったので、家事や自分の生活全般のことをする身体能力は十分にありました。

でも、痴呆は2年前に比べると格段に進み、まだらぼけの状態ではあったのですが、意識がしっかりしている時間よりも痴呆の状態にある時間の方が多く、攻撃性も出ていました。

体が元気で動ける分、火事を起こしたり、外で交通事故に遭ったりというリスクも高いので、本当に目が離せませんでした。

施設の探し方

まず、区役所の福祉窓口に相談に行き、一から介護について教えてもらいました。

家にケアマネージャーを派遣してもらい、ケアマネさんに色々と相談させてもらいました。

そこでわかったのは、私の母の場合は入れる福祉施設が限定的であることです。

いわゆる特別養護老人ホームは比較的安価に入れるので入るならそこかなと考えていたのですが、私の住む地域では待機が数十人~数百人という施設もあり、とても入れません。

また、うちの母の場合は自分で体が動かせるので介護度はそれほど高くはなく、特養は基本的には自力で自分のことができないような重度の介護度を持つ人が入る施設ということで、今の母の状態ではあきらめざるを得ませんでした。

そこで私たちが考えたのは、軽度の痴呆症の人が共同生活を送るグループホームと一般の有料老人ホームです。

一般の有料ホームの場合は私営の施設なのでその施設ごとに入居基準は異なり、うちの母の状態でも入れてくれる所ばかりでした。

ただ、料金は特養に比べると高めで、料金も施設によって差は有るのですが、我が家の周りにあるホームは大体中級クラスが多く、月々15万円程度がかかるイメージでした。

グループホームは数は多くないのですが、自宅から通える距離にあり、お値段は一般のホームと同じぐらいか少し安めでした。

どちらが良いか迷ったのですが、母は人見知りで、あまり誰とでも仲良く打ち解けられるタイプではないので、基本的には個室で個々の生活を送ることができる一般の老人ホームを選ぶことにしました。

費用は正直なところ厳しかったです。

その頃には子供は高校生と中学生になっていたので、大学受験と高校受験に向けて塾費用が家計の負担になっていました。

でも、一応母も受給している年金があったので、年金を料金の一部に充てることで何とか家計を回していくことができました。

入居前に見学に行くのがおすすめ

ちなみに、一般の老人ホームに入ることを決めてから、いくつかのホームを実際に見学に行きました。

パンフレットと実際に目で見るのはやはり受ける印象は大分異なることが多く、清潔で明るく見えたホームが実際見てみると入居者の方々にあまり覇気がなく、どんよりとしているホームもあれば、パンフレットでは無機質に見えても入居者の方が楽しそうにしていた明るい雰囲気を醸し出していたり、入居者の人を見るとそのホームの雰囲気がよくわかりました。

また、説明をしてくださるスタッフと実際に会話をして接することで、どのような人に母がお世話をして頂くのかという雰囲気がつかめるので、実際に話をしてみたことはとても有意義だったと思います。

私が見たホームに限るかもしれませんが、うちの周りのホームの場合は料金が高い高級ホームだからといって雰囲気が良いというわけではありませんでした。

もちろん高額のホームは設備は整っているのですが、生活する人にとっては人の方が大事だと思うので、私は空気感を一番にホーム選びをしました。

特養は多くの待機が存在する状態でしたが、一般の老人ホームはそれほど混んでいませんでした。

ホームが多い地域ということもあってか、満室のホームは少なくて、ほとんどのところは空きがある状態だったこともあり、ある程度時間をかけてじっくり選ぶことができました。

今は入居して半年が経とうとしていますが、攻撃的だった母が穏やかに落ち着いて生活できています。

といっても痴呆が改善しているわけではないのですが、私にも余裕ができたことで二人でいる時には穏やかな時間を過ごすことができています。

詳細は「老人ホーム 大磯」も参考